2018年4月1日日曜日

桜井ギター コンサートR 表板割れ、外れ修理。

          
 桜井ギター、コンサートRをお預かりしました。(C.H様どうもありがとうございました!)
 ボディエンドから落としてしまったということで、チューニングすると元よりも弦高が高くなってしまったということでした。エンドブロックから表板が外れて、弦の張力で持ち上がったのが原因でした。
 エンドブロックの上の表面板が飛び出して、段差になっています。
 表板とバインディングも外れて、バインディングの側面は割れています。側面が割れているので、ライニングの割れもありました。
 内部から見てみると、一見大丈夫そうですが、割れがどこまで広がっているか見るためにジャッキアップしたのが次の写真です。
 ジャッキの後ろ側は、エンドブロックと表板の境の接着が外れています。矢印のところ、ライニングと表板の境が外れていれば接着はそれほど難しくはないのですが、左の矢印のほうに向かっていくに従い、ライニングの途中に亀裂が入っています。最初、バインディングを削って、表側から接着しないとダメかなとも思いましたが、バインディングを削り取ってもライニングの途中の亀裂に接着剤を入れるのは難しいので、ジャッキアップしながら、長いへらで亀裂を接着することにしました。内部に接着剤が垂れないように紙を敷いて、何度もへらで割れに接着剤を入れました。 しつこく何回か繰り返し、ジャッキを緩めると、接着剤がはみ出してきますので、すべての割れに接着材が入っているか確認できます。
 同時に表板の接着も行いました。平らになっているのがわかると思います。
 はみ出した接着剤は、奇麗に拭きとってあります。手首にサウンドホールの淵の痕がついて、この作業は本当に大変です。
 こんな感じで接着できました。
 後はサドル調整をして、弦を張り様子を見て完成です。
修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました! 次回は、黒澤ウクレレの修理を予定しております。 朝倉宏泰

2018年3月19日月曜日

2018年 もう3月19日になってしまいました・・・

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。2018年は初っ端からすっかり更新をさぼっておりました・・  今年に入ってからご注文いただいていたギターが2本完成いたしました。
 1本目は、表面板がイングルマンスプルース 横裏はキルテッドメイプルで、裏板はアーチバックです。 構造はラティスブレーシングですがスモールマンモデルと違い、表面板は全面振動し、重量は比較的軽量なレッドゲートのスタイルを踏襲しております。


バムケースに入れた状態。ブリッジはパデューク、ペグはジョンギルバートです。
 もう一本は、ラジアルブレーシングギターです。表面板はジャーマンスプルース 横裏はバーズアイメイプルで裏板はアーチバックになっています。

 アーチバックの裏板・・
 左用ギターです。ピンブリッジサドル。
バムケースに入れた状態・・ ペグはジョンギルバートです! ギターのご注文をいただき誠にありがとうございました!  これからもよろしくお願いいたします! また更新がんばらないと・・  朝倉宏泰

2017年12月28日木曜日

1996年 グレッグスモールマン  表面板陥没 ペグ交換等 修理

 グレッグスモールマンをお預かりしました。(木村大様どうもありがとうございました!!)
 表面板に穴が開いてしまっています。スモールマンは構造をご存知の方ならわかると思いますが、フレームがありますので、ボディエンドまで手が入りません。どのように修理するかしばらく悩みました・・・
 ペグは錆びていて、2、3弦のつまみが空回り寸前でしたのでシャーラーへ交換いたします。
 フレットは減っていましたが、交換するほどではありませんでしたので、緑青を取り除きます。

 後ろから見たところ、幸い破片は残っております。
 少しずつ戻していきます。
 ある程度まで戻して、Stewmacで販売されているワイヤーで引っ張り上げる冶具で戻そうとしたのですが、フレームがすぐ下にあり、当て木を押さえるパーツが当たってしまうので、使えません・・ 結局、S字に曲げた木材の先にマグネットを接着して、クランプすることにしました。
 リハーサルしてから接着しました。割れてから時間が経っていて、ピッタリ元には戻りませんでした。
 薄く木がなくなっているところは、埋めました。軽く塗装しています。
 部分塗装で仕上げたところ。あまり目立たなくなりました。
 ナット、6弦の下に隙間がありましたので、ナットを外してみました。
 薄板が6弦の下だけなくなっていましたので、薄板を入れ替えて、全体を上げナット溝を掘りなおしました。
 こちらはサイドドットです。穴をあけました。
 ステージが暗転しても使えるものということで、ルミンレイを選択いたしました。
 ペグはシャーラー、グランドチューナーで、オールブラックです!
 フレット、指板も奇麗にして完成です!!

 修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました! 朝倉宏泰


2017年12月24日日曜日

杉山重光ギター ナット サドル交換 弦高調整

珍しいスプルーストップの ヴィオロン杉山をお預かりしました!(N様どうもありがとうございました!)

 現状で、弦高低めに調整されていて、少し音が薄いということでクラシックギターの標準弦高にするために、サドル交換いたします。
修理前、 サドル端の仕上げはこんな感じです。

 写真ですとわかりにくいですが、ナットは高音側に少し寄っていますので、弦のフレット落ち(弦落ち)を防止するために弦間は変えずに低音側に寄せます。
 オイル漬け牛コツを使用いたします。
これではわかりにくいですね、弦間は変えません・・
 磨いてナットは完成です。 溝の切り方はオリジナルと同じようには切りませんでした。

 サドルも交換しました。サドルの端、土台のカーブにきっちり合わせました。サドル端とサドル土台を面一にするのではなく、サドルを紙一枚分程度小さく加工すると見た目と手触りが良いです。ナット側面も同様です。

弦を張って完成です!! どうもありがとうございました!!朝倉宏泰

2017年12月21日木曜日

カヴァキーニョ 指板調整 修理

 カヴァキーニョをお預かりしました。(T様ありがとうございました。)
症状は、指板中間あたりからハイポジションに向かって弾いても音程が変わらないということでした。原因はハイポジションでの指板の盛り上がりですが、実際には1~12フレットも順反りしていて、指板中間あたりがへこみすぎているも原因の一つです。本来でしたら、指板調整してフレット交換が良いのですが、いろいろあり、弦が当たりっぱなしになってしまう、ハイポジションのみ指板調整することになりました。
 フレットを抜きました。最小限の修理ですので、抜いたフレットはそのまま使用いたします。
 向きを間違えないように取っておきます。
 指板は鉄刀木です。指板エンドに向けてテーパーになるように削ります。
写真は浅くなったフレット溝を深く掘りなおしています。
 そしてフレットを戻して完成です。
 これで演奏可能な状態になりました!!

修理のご依頼をいただきありがとうございました!  朝倉宏泰