2016年7月31日日曜日

JB バンドリン 指板交換等 修理 Part.1

 ジョアンバチスタのバンドリンをお預かりしました。(N様どうもありがとうございました!)
 症状は、ネックが順反りしていて、ブリッジ高を削って、弦の溝を深くした状態でも弦高が高い。ペグで弦が切れてしまうという内容でした。 この写真でネックの反りがわかるでしょうか。
 0フレットが浮いたまま付いていたのでローポジションが弾きにくかったのだと思います。
溝を掘って対応されておりました。
最初は、ローポジションを削るか指板の貼り直しで修理しようかなと考えておりました。 
フレットを抜いて仕込み角度を見るとよくないので、ジョイント付近の指板の厚みを増して、指板交換することになりました。
 ブリッジは、頂点が削られていて、さらに溝が深く切られています。テールピースからの角度もあまり付いていません。
 指板材は、9ミリ以上の厚いものがなかなか無くて探しました。上のアフリカンエボニーを使用します。
 計算式からフレットの溝を切りました。
幅を見ているところです。
 ジョイント部から指板エンドにかけて薄くなるように指板裏側を削ります。への字になっているのがわかるでしょうか。裏面が上になっています。
ネックとボディにぴったり合うようにしたら接着します。

接着後・・・
アールをつけて、フレットの溝を面取りしてからフレットを打ちました。
 ローポジションの指板の厚みは変わりません。ジョイント付近からエンドに向けて少し指板が下がるようにします。
サイドドットを入れるところです。 長くなるのでPart2に続きます!
よろしくお願いいたします。

朝倉宏泰

2016年7月27日水曜日

Ramirez R-VINO ブリッジ剥がれ修理

 ラミレス R-vino をお預かりしました。(O様どうもありがとうございました。)
ブリッジが剥がれてしまっています。

 ブリッジの領域、完全に塗装がはがされていませんでした・・
 塗装の厚み分、接着剤も層になるので、剥がれやすいと思います。
 黒い矢印が、本来塗装を剥がさなくてはいけないライン、赤矢印はブリッジの下に来ているのがわかると思います。
 ブリッジ領域の塗装をはがして、ボンドのような接着剤をサンディングでは全く取れないので、アルコールで入念に取り除きました。
 ブリッジ側もアルコールで取り除き、表板に載せてみて接着面が合うか確認します。
と言っても大抵合いませんので、ブリッジの底面を表板に合わせて削ります。

よく、合いを確認してから接着しました。
数日クランプして弦を張って完成です!
 修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました!

次回は、バンドリンの修理を予定しております。
よろしくお願いいたします。

朝倉宏泰

2016年7月23日土曜日

広瀬達彦ギター 修理

 広瀬ギターをお預かりしました。(H様どうもありがとうございました。)
全体の写真を1枚も撮っていませんでした・・   こちらは表板の割れです。
少し段になっています。
 低音側、割れ。
 高音側は、指板のすぐ際です。
 割れ止めを切り出して、割れ接着後に貼って行きます。
 見づらいですが、高音側。
 低音側の割れ止め。
 段差がついているところは、当て木を1枚ずつしっかりクランプして平らにしていきます。
いつも書きますが、接着剤ですべるので綺麗に貼るのは非常に難しいです。
 4枚接着しました。何とか綺麗に並べて接着できました。
 光を当てるとわかりますが・・
 平らになりましたので、ほとんど目立ちません。
 こちらは裏板のブレーシング剥がれです。
 内側と外から軽く抑えて接着していきます。
 裏板の割れも接着してから割れ止めを貼ります。
こちらは強力なマグネットで接着しました。
後はフレットなど綺麗にして完成です! 修理のご依頼をいたいただき誠にありがとうございました!   何本か見ましたが、広瀬ギターはどれも良い音していました。

次回は、ラミレスの修理を予定しております。

右下のラベルから、ブログの記事を検索すると、出てこない記事がたくさんあります。
原因はわかりませんが、今度整理して検索できるようにしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

朝倉宏泰

2016年7月18日月曜日

マーチンD-28  ナットサドル交換

 マーチンD-28をお預かりしました。(T様どうもありがとうございました。)
3弦開放がこもる、弦高が高い、ナットの溝が深いといった症状です。  サドルとナットを交換します。
 ナットは、弦間がよくありません。1弦側がフレットから落ちやすくなっています。
ここは、もう少し1弦を内側に入るようにします。
 まず取り外したところ・・・とても難しいです。
 接着剤など取り除きます。
 綺麗になりました。
 1弦を内側に寄せて、それに伴いほかの弦間も調整します。

 サドルも交換しました。
完成です。修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました。

ラティスブレーシング、ダブルトップ、ダブルファンブレーシング等のクラシックギター製作工程は、FaceBookで公開しています。
https://www.facebook.com/hiroyasu.asakura.3

次回は、広瀬ギターの修理を予定しております・ よろしくお願いいたします。
朝倉宏泰

2016年7月17日日曜日

アストリアス ECエンブレム ナットサドル交換

 アストリアス ECエンブレムをお預かりしました。(H様いつもありがとうございます。)
 ナット、サドルともに漂白した牛骨が使用されています。これをオイル漬け牛骨に交換いたします。

 ナットを外しました。接着剤が多めについていましたが、無事に取り外せました。接着されているナットの場合、この行程はとても難しいです。
 接着剤を取り除いているところ・・
 指板側と底が綺麗になりました。
 弦間等の変更がなければ、同じサイズで製作します。
 サドルの方は、溝の問題はありませんでした。細かいところも丁寧に作られているギターで、
音も良かったです。
完成です! 修理のご依頼誠にありがとうございました。 

次回は、マーチンD28の修理を予定しております。よろしくお願いいたします。

 朝倉宏泰