2014年9月19日金曜日

2006年 ドソウト カヴァキーニョ 修理 Part.2

裏板のブレーシング1本、表板のファンブレーシング1本、ライニングを準備しました。
 表板とエンドブロックを接着しています。
 割れていたライニングを交換します。バインディングの段差分切り搔きをつけて、接着します。
        以前の修理のわれ止めを貼り直し、ファンブレーシングも接着しました。

                表側はこのような状態です。
 先に裏板の補修です。板目で、割れていた2番目のブレーシングを新たに接着しました。1本目は、オリジナルです。
 材質もオリジナルと同様のセドルで製作しました。端の削り方も低音側を多めに削りました。
以前の修理でラベルの下に当て木が貼られていて、ラベルにすこし破れなどありましたので、できるだけ綺麗に戻します。
           バインディングを戻してから・・・この先の写真がありませんでした。
表側、バインディング補修して、塗装も簡単にし、修理完了です。

すばらしい音でした。 修理のご依頼ありがとうございました。

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朝倉宏泰

2014年9月18日木曜日

2006年 ドソウト カヴァキーニョ 修理 Part.1

 ドソウトをお預かりしました。(S様どうもありがとうございました。)
 落としてしまったそうです。表板の割れと・・
 このような感じです。接着のみで修理できそうだなと思っていたのですが、中を覗くと修履歴があり、エンドブロックにもヒビがみえましたので、裏板を外すことにしました。
 表板の割れは、以前にも割れた部分と同じところです。当て木がしてあります。 なぜかファンブレーシングが1本ありません。 当て木するのに外したのかなと思いましたが・・・ 
 エンドブロックも割れていました。
 こちらは裏板です。縦にスプルースでわれ止めが貼ってありますが、割れからずれて貼られておりました・・・ラベルに掛かる当て木をすこし削り、スプルースの当て木を貼り直します。
 位置を変えているのがわかるでしょうか。


 エンドブロックと表板も剥がれていました。


ライニングも取れています。 まだ続きます!

続きはこちらです。→http://asakurakobo.blogspot.jp/2014/09/2006part2.html

朝倉宏泰

2014年9月12日金曜日

佐藤忠夫 ブリッジ剥がれ、ナット、サドル交換

 佐藤忠夫をお預かりしました。 (H様 どうもありがとうございました!)
 ビビリと弦高の調整でしたが、調べていくとブリッジの剥がれガありました。
 表板に波うちがあります。ブレーシングがある部分だけ持ち上がらずに、ブリッジとはがれた感じです。
 サドルは交換いたします。
 ナットは、溝が深くなりすぎていて、ビビリが出るので交換いたします。
 ブリッジを剥がしました。膠で接着されていましたが、ブリッジ接着時のクランプが間に合っていなく、膠の分厚い層になってしまっていました。これでは剥がれてしまいます。
 表板の歪み。ブレーシングがあるところは凹んで見えます。
 膠を綺麗にとりました。拭けば取れます。
 ブリッジの底をゆがみに合わせて削ります。何度もあわせては、削りを繰り返して、
ブリッジを置くだけで吸い付くようにして、ぴったりあわせてから接着します。
特にブリッジに関しては、歪んでいるものをクランプで無理に締めたりはしません。
 サドル溝のそこがきっちりあいていなかったので、溝の端をすこしだけ修正します。
 ナット側も、角を修正します。

 溝をきりました。
 磨いてナットの完成です。
 歪みに合わせてブリッジがぴったりついているのがわかるでしょうか。サドルも調整してピッタリ合うようにして、磨いて完成です。
元がとても敏感に反応して鳴る良いギターでしたので、修理後はさらに見違えるようでした。
修理のご依頼誠にありがとうございました。

朝倉宏泰