2016年3月31日木曜日

ジャニーニ カヴァキーニョ 指板交換等 修理 Part.2

 http://asakurakobo.blogspot.jp/2016/03/part1.html ←こちらの続きです。
弦高が下がれば多少音程はよくなるので、薄いブリッジを製作しようかなとも思いましたが、フレッチングでどうしても気になるところがありましたので、相談の結果、指板を交換することにしました。12フレット付近で1弦側を厚くし、弦高を下げることにしました。 仕込み角度の関係で、0フレットに向けて少しテーパーにします。  指板材サントスローズウッド、パウフェ―ホを用意しました。

 計算式から、鋸でフレット溝を切りました。
 指板は削り取りました。整地して指板の幅を切り出して接着準備しているところです。
 接着面と、位置をきっちり出してから、ずれないように接着しました。
 接着後、指板調整してからフレットを打ちました。
 早速、音程の確認をしています。 高音弦はよいのですが、4弦はもう少し後退させたいところです。ここは、サドル溝を掘りなおして、サドル自体を少し後退させることにしました。
 ピックアップの線ですが、ピックアップ側からとジャック側で別れており、それが結線されていました。絶縁でテープが巻かれていましたので、ここは一度外して綺麗にやり直します。
 サドルを引き抜いたところ・・・
 サドル溝を一度埋めるために、配線の穴を先に埋めます。
 埋めました。
今度は、サドル溝を埋めます。接着中・・
 サドル溝を掘りなおしたところ・・ 4弦側を約0.8ミリ後退させました。
 コードを結線しなおして、熱収縮チューブで覆いました。
 まとめてから、ボディ内に貼りますが、貼った後、コードがブレーシング等に当たっていないか、ビビリが出ないかなどを良く確認します。
 サドルの頂点形状の関係で、サドル溝を少しですが、前に傾くようにあけました。
 これで弦との接点が、後ろ側にきました。
 改めてセットアップします。弦はダダーリオを使用しました。 フレットの端をなだらかにしてあるのがわかるでしょうか。
 弦高は1弦で1.5ミリ 4弦で2.4ミリになりました。 音も合います。
とても長い修理期間をいただきましたが、修理後は見違えるような楽器になりました。
修理のご依頼どうもありがとうございました! 

Part.1はこちらです。→http://asakurakobo.blogspot.jp/2016/03/part1.html

次は、マーチンHD-35の修理を予定しております。

朝倉宏泰


2016年3月29日火曜日

ジャニーニ カヴァキーニョ 指板交換等 修理 Part.1

ジャニーニのカヴァキーニョをお預かりしました。(A様、どうもありがとうございました!)
症状は、弦高が高く、音程がよくないということでした。
 フレットの状態、すり合わせしっぱなしで、接点が平らです。
 12フレットでの弦高、1弦が3.5ミリ 4弦が3ミリ・・・ 4弦は良いとしても1弦が高すぎです。
開放でチューニングしてからオクターブはあっているか確かめましたら、全く合いません・・・
 サドルはピックアップになっていて、頂点が平らです。前に傾いていますので、何とか後ろ側に接点がきているという感じです・・・ 相談の結果、ピックアップはそのままということになりましたので、サドルを削りません。 
 音程を修理する前に、ボディをチェックしていたら、合板の剥がれや、ブレーシング剥がれがありましたので、まずはそちらを修理することにしました。サウンドホール部分の合板の剥がれです。
 クランプして、しっかり接着しました。
 裏板のブレーシング剥がれ、4弦側
 つっかえ棒を作って接着します。外からは軽く押さえます。
 裏板の1弦側の剥がれ。
同じように抑えて接着します。
 表板のブレーシング剥がれ、サウンドホール下4弦側・・
 当て木してから接着します。
 表板、サウンドホール上1弦側
 同じように接着しました。
 表板、サウンドホール下1弦側 ブレーシング剥がれ
 接着しました。
 スケールから、サドルの接点を後ろにずらしてオクターブが合うか試している所です。
接点を後退させても、音程はほとんど変わりませんでしたので、今度は弦高を下げるとどうなるか、写真がぼやけてしまっていますが、試しに12フレットをまたぐように木片を置いてみました。木片は、先を尖らせてフレットの代わりにしています。 これでオクターブは大体合いますが、それでも他に音程がおかしいところがありました。 

Part.2はこちらです→http://asakurakobo.blogspot.jp/2016/03/part2.html

朝倉宏泰

2016年3月20日日曜日

Gibson ES-125 ネック折れ修理 フレット、ナット交換等 Part.2


 http://asakurakobo.blogspot.jp/2016/03/gibson-es-125-part1.html こちらの続きです!
ペグを取り外しました。グローバー102が取り付けられていますので、クルーソン用の穴は埋めてしまいます。
 当て木して、塗装しました。つぶさずに少しだけ透けるように塗ります。元の塗装との境目の処理がとても難しいです。フィラーで埋まっていたシリアルナンバーはよりよく見えるようになりました。 写真ですとあっという間です・・

 こちらはフレットを交換して、ナットを作り直しているところです。


 ナットと、フレットの仕上げをしました。

 お客様に持込して頂いたペグに交換しました。


 交換したピックガード・・・ジャックやポットに接点復活材を塗布して、ハードケースの内張りの剥がれもすべて接着して完成です。
最後はフラットワウンドに張り替えました。合板ですが、生音もすばらしいギターでした。
とても時間が掛かりましたが、修理のご依頼誠にありがとうございました。

パート1はこちらです。→http://asakurakobo.blogspot.jp/2016/03/gibson-es-125-part1.html

次回は、ジャニーニ カヴァキーニョの修理を予定しております!


朝倉宏泰