田崎守男ギターをお預かりしました。(A様どうもありがとうございました。)
症状は、表、裏、横板の割れ、音程が合わない、異音がするというものでした。
裏板の割れ・・
異音は、ブレーシング剥がれとすぐにわかりました。表板は3箇所剥がれていました。
サウンドホール下のこのブレーシングは、端についているはずの付け木が取れてなくなっていました。
サウンドホール上の高音側、こちらは付け木とブレーシングの間に楔がいれてありました・・・
おそらく隙間があいたまま接着して後からくさびを差し込んだようです。
こちらはわかりにくいですが、サウンドホールした高音側です。
接着していきます。このときブレーシングを強く締めすぎないように気をつけます。
表板、ブリッジ下の割れ2箇所は、当て木を貼りました。割れが開いていて歪んでいましたので
慎重に1枚ずつクランプして貼っていきました。クランプしたときに当て木が回転しやすいので非常に難しい作業です。こちらは低音側。
こちらは高音側の割れ止め。ゆがみを矯正するので少し大きめです。
1枚ずつこのようにクランプしていきました。
裏板の当て木は、磁石を使って接着しました。
つまみが割れてしまっていた、ペグも交換しました。
ナットは、下に薄板を敷いて嵩上げし、溝の調整をし上面を磨いて完成です。
サドルも交換です。こちらは頂点でオクターブ調整をして完成です。
修理前の写真を撮り忘れてしまったので、1枚目の写真と同じですが、これで完成です。
他にも横板、指板横の割れの接着や、フレットの磨きなどやりました。
このたびは修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました!
次回はアストリアスの修理を掲載予定です。
よろしくお願いいたします。
朝倉宏泰
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