弦高が下がれば多少音程はよくなるので、薄いブリッジを製作しようかなとも思いましたが、フレッチングでどうしても気になるところがありましたので、相談の結果、指板を交換することにしました。12フレット付近で1弦側を厚くし、弦高を下げることにしました。 仕込み角度の関係で、0フレットに向けて少しテーパーにします。 指板材サントスローズウッド、パウフェ―ホを用意しました。
計算式から、鋸でフレット溝を切りました。
指板は削り取りました。整地して指板の幅を切り出して接着準備しているところです。
接着面と、位置をきっちり出してから、ずれないように接着しました。
接着後、指板調整してからフレットを打ちました。
早速、音程の確認をしています。 高音弦はよいのですが、4弦はもう少し後退させたいところです。ここは、サドル溝を掘りなおして、サドル自体を少し後退させることにしました。
ピックアップの線ですが、ピックアップ側からとジャック側で別れており、それが結線されていました。絶縁でテープが巻かれていましたので、ここは一度外して綺麗にやり直します。
サドルを引き抜いたところ・・・
サドル溝を一度埋めるために、配線の穴を先に埋めます。
埋めました。
今度は、サドル溝を埋めます。接着中・・
サドル溝を掘りなおしたところ・・ 4弦側を約0.8ミリ後退させました。コードを結線しなおして、熱収縮チューブで覆いました。
まとめてから、ボディ内に貼りますが、貼った後、コードがブレーシング等に当たっていないか、ビビリが出ないかなどを良く確認します。
サドルの頂点形状の関係で、サドル溝を少しですが、前に傾くようにあけました。
これで弦との接点が、後ろ側にきました。
改めてセットアップします。弦はダダーリオを使用しました。 フレットの端をなだらかにしてあるのがわかるでしょうか。
弦高は1弦で1.5ミリ 4弦で2.4ミリになりました。 音も合います。
とても長い修理期間をいただきましたが、修理後は見違えるような楽器になりました。
修理のご依頼どうもありがとうございました!
Part.1はこちらです。→http://asakurakobo.blogspot.jp/2016/03/part1.html
次は、マーチンHD-35の修理を予定しております。
朝倉宏泰
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